「辞めます」の前に必ず出ている——新人が発する“赤信号サイン”を見逃さない

要点

  • 新人は突然辞めるのではなく、必ず「心が離れているサイン」を出しています。
  • よくあるサインは、表情・発言・行動の3つに分けられます。
  • サインを早く見つければ、フォローで定着に戻せる可能性があります。

「急に辞めたいと言われた」本当に急でしょうか?

「昨日まで普通に働いていたのに、突然『辞めます』と…」
薬局経営者からよく聞く声です。

でも実際には、本当に“突然”ではありません。
辞める前には必ず、小さな赤信号サインが出ています。
問題は、それを見逃してしまっているだけなのです。


サイン1:表情に出る

  • 患者さん対応の笑顔が減る
  • 休憩中に一人でスマホを見ている
  • 朝の挨拶が以前より小さくなる

人は「辞めようか」と悩んでいるとき、自然と表情に出ます。
特に薬局は少人数だからこそ、こうした変化が目立つもの。
日常の小さな変化を見逃さないことが重要です。


サイン2:発言に出る

  • 「自分に向いてないかも…」と冗談っぽく言う
  • 「他の薬局ではどうなんですか?」と比較する
  • 「いつまでここにいるのかな」と独り言を漏らす

新人は直接「辞めたい」とは言いません。
代わりに探りを入れるような発言が出ます。
こうした言葉を聞いたら、軽く受け流さずフォローのチャンスにしましょう。


サイン3:行動に出る

  • 残業や研修を避けるようになる
  • 指示待ちが増え、主体性が消える
  • 患者さんや先輩と目を合わせなくなる

これは「気持ちがもう外に向いている」サインです。
この段階で何も手を打たないと、退職はほぼ確定します。


見つけたときにどう対応する?

赤信号サインを見つけたら、次の3つを意識すると効果的です。

  1. まず受け止める
    「そう感じてるんだね」と認めることが第一歩。
    否定すると余計に心を閉ざします。
  2. 具体的に聞く
    「どんなときにそう思った?」と掘り下げる。
    新人自身も整理できていない不安が言語化されます。
  3. 小さな改善を約束する
    「じゃあ来週は一緒に外来やってみよう」など、すぐできることを約束する。
    これだけで「見てもらえている」と実感でき、気持ちが戻ってきます。

まとめ

新人は突然辞めるのではなく、必ずサインを出している
表情・発言・行動の変化に気づけるかどうかが、定着を分けます。

あなたの薬局でも、最近「ちょっと元気がないな」と感じる新人はいませんか?
その違和感を放置せず、声をかけるだけで未来は変わります。

定着は偶然ではなく、気づきとフォローで設計できるのです。

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